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土つくり < 植えつけ < 水やり < せん定 < 肥料やり < 病気と害虫

肥料やり
バラの順調な成育のためには、成長に必要とされる窒素(N: Nitrogen)、リン酸(P: Phosphorus)、カリ(K: Potassium)の3元素と微量元素を下記のような、割合、量、時期に施すことが基本です。
適切な元素の割合で: N-P-K(1.0-2.0-1.0)など
適切な量を: 300g/m2/回 x 3回
適切な時期に: 6月、10月、12月など

無機肥料と有機肥料
無機肥料は化成工場で製造されたものです。水に溶けやすく、したがって速効性があるのが特徴ですが、流出も早いため施肥をくり返す必要があります。過度の施肥は肥やけの原因となりやすく、長期間の施肥は土壌の固定化の原因となり、土壌障害を引き起こすこともあります。
有機肥料は、元素の含有量は少なく速効性に乏しいのですが、肥効は長期間持続し、窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)以外のさまざまな微量元素を含み、土壌の改良効果もあります。
“バラ専用”とか“ローズ・フード”という商品名で流通している、いわゆるバラ専用肥料は無機肥料の速効性と有機肥料の肥効の持続性と土壌改良効果のそれぞれの長所を生かそうとしたものと言えます。
バラの育成にとって最も効果的であるのは無機と有機の特徴を生かした混合タイプ(ローズ・フードなど)を使用したり、無機と有機を併用したりすることですが、無機のみとするか、有機のみとするか、あるいは併用するかは、育成する方の選択によります。
このサイトでは、最近さかんに試みられている有機栽培を前提とした施肥方法について説明したいと思います。

有機肥料
自然界に存在する有機物を肥料とする有機肥料はそのままではバラが必要とする元素を与えることができません。それぞれの特性を生かした有機混合肥料をつくり施肥することになります。おもな有機肥料の元素含有量と特徴を下の表にまとめてみました。

種類 成分例 肥効 用途 特徴
N P K 元肥 追肥
油かす 5.0-7.0 1.0-2.0 1.0-2.0 緩効 安価で緩効性の肥料で、有機栽培のベースとなっている窒素(N)肥料。
分解過程で有機酸、アンモニア・ガスの発生があり、肥やけを起こしやすいので、事前に発酵させるか、植えつけ前2週間に施肥する。
骨粉(リン酸P)、草木灰(カリK)と混合して、元肥とすることが多い。
水に溶かして発酵させた後、液肥の追肥として利用することもできる。
魚かす 7.0-8.0 5.0-6.0 1.0 速効 速効性のある窒素(N)・リン酸(P)肥料。
事前に発酵させるか、元肥として使用する場合は、植えつけ前2週間に施肥する。
比較的高価であるが、土中で微生物により分解されアミノ酸となって吸収されるため肥効にすぐれている。
追肥として用いる場合は、肥やけを起こすので根に直接触れないよう離して施肥する。
鳥や虫に食べられないよう、施肥後は必ず土でおおう。
カニガラ 4.0-9.0 1.0-6.0 - 緩効 緩効性の窒素(N)肥料であるが、キチン質であり、病害防止効果がある。
骨粉 4.0 17.0-24.0 - 緩効 緩効性のリン酸(P)肥料。
油かす(N)、草木灰(K)と組み合わせて元肥として使用することが多い。
追肥など速効性を求めたいときは、魚かすをもちいるか、過リン酸石灰(P, 17-20%)を施肥する。
過リン酸石灰は土中のアルミナに吸着し、吸収されなくなってしまう。これを避けるため、施肥の際には堆肥にくるむなど土に直接触れないようにする工夫が必要となる。
米ぬか 2.0-2.6 4.0-6.0 1.0-1.2 緩効 リン酸(P)主体の緩効性の肥料。
糖分、たんぱく質、脂肪を含むため微生物の活動が活発となる。このため、堆肥の腐食促進などに用いることが多い。
単独で施肥すると土中で固化して、病虫害の原因となることがあるので注意を要する。
鶏ふん 3.0-5.0 5.0-8.0 3.0-5.0 速効 比較的安価で、速効性もあり、成分のバランスもとれているので利用されることが多い。
よく発酵させてから施肥しないと肥やけを起こすことがあるので、注意が必要である。
草木灰 - 3.0-4.0 7.0-8.0 速効 速効性のあるリン酸(P)・カリ(K)肥料で、石灰分をふくむため酸度の矯正をすることもできる。
油かす(N)、骨粉(P)と組み合わせて、有機質元肥とすることが多い。
ボカシ肥料 2.0-4.0 2.0-4.0 2.0-4.0 速効 有機肥料を畑土などと混ぜ、発酵させた肥料のことであるが、原料、つくり方に数多くの手法があるので、特徴をよく把握して使用することが大事。

肥料つくり
バラ用の有機肥料つくりは、上の表に記述したそれぞれの特徴を生かして配合することになります。
例えば、油かす、骨粉、草木灰を100gづつ等分に配合すると、N-P-Kは次のような含有量ですから
N P K
油かす100g 6.0g 1.5g 1.5g
骨粉100g 4.0g 20.0g -
草木灰100g - 3.5g >7.5g
配合肥料300g 10.0g 24.5g 9g
配合肥料100g当り 3.3g 8.2g 3.0g

ほぼN-P-K(1-2.5-1)含有の300gの配合肥料ができあがります。
バラの育成には、窒素(N)を比較的少な目に配合すると、病気などにかかりにくくなるといわれています。N-P-Kの含有量が、1:2:1、1:2:2あるいは2:3:1といった配合のものを施肥するようにしましょう。
有機肥料は土中で微生物によって分解され、バラの育成に有用なアミノ酸、糖類などになります。
分解が進展している間は、有機酸やアンモニア・ガスの発生があり肥やけを生じやすいくなります。施肥後3週間から4週間待ってから植えつけとするか、あるいは冬季の休眠時期に株から離れた箇所に施肥するなどの対策が必要です。
こうした状態を避けるもうひとつの方法は、微生物による分解を事前に済ませた有機肥料をつくり、それを施肥しようというものです。畑土などと混ぜて発酵させる場合を“ぼかし”、米ぬか、水などを加えて発酵促進させたものを“発酵”肥料と呼びます。
この“ぼかし”あるいは“発酵”肥料は微生物による分解物質であるアミノ酸、糖類を多く含み、また有用微生物も休眠状態にあります。植えつけ1週間前に施肥するか、あるいは根に直接ふれない箇所に施肥すれば安心して使用できる有機肥料です。

施肥の時期
肥料はバラが最も必要としているときに施すのが効果的です。
その時期とは;
① 一番花の咲き終わった後(6月頃)
② 冬季の休眠2ヶ月前(寒冷地域9月~温暖地域10月頃)
③ 冬季(返り咲き種)または夏期(一季咲き種)に行なうせん定の直後(返り咲き種:寒冷地域11月~温暖地域12月頃、一季咲き種7月頃)
の3回です。最低限この3回の施肥は必要です。
前年の秋口に植えつけを行ない、その際施肥を行なった株はせん定直後の施肥を行なった場合と同様の扱いとします。
ハイブリッド・ティー、フロリバンダ、ミニチュアなど頻繁に返り咲く品種は、開花シーズンを通して定期的に施肥するとよい花を咲かせますので、固形肥料の場合で1ヶ月に1度、水肥の場合は2週間に1度追肥すると、よい花を観賞できるでしょう。
また、春、つぼみが出る時期に液肥を施して開花を促進することも効果があります。

施肥量
品種の違い、株の大きさ、土の保肥力および肥料の元素含有量等により必要とされる施肥量は変わります。
有機肥料の場合、肥効期間は2.5ヶ月から3.5ヶ月、バラは温暖地域の場合で春3月から初冬12月初めまで約9ヶ月強の生育期間がありますので、肥料を切らさないためには最低年3回の施肥が必要となります。
1回の施肥量としては窒素(N)が1m2当り20gを越えない程度。肥料つくりの欄で例としてあげた(油かす)-(骨粉)-(草木灰)等分配合肥料の場合で、600g/m2を限度としてください。
過度の施肥は病気を誘引したり、肥やけの原因となりますので、株の様子を観察しながら多少控えめに施すのがよいでしょう。

施肥方法
施肥の方法としては、くまなくすき込む方法と畑での野菜つくりの際などによく用いる溝施用(根の伸びる先にかためて施用)する方法があります。
肥料やりのみを目的とするのであれば、有機肥料を施用する場合は溝施用としてください。
施用された有機肥料は有用微生物によって活発に分解され、それによって生じるアミノ酸、糖分などがバラに吸収され育成に効果があるのですが、土中の有機物は分散しているよりも一箇所にかたまっているほうが有用微生物の活動に向いた環境となるからです。
堆肥などに包みこんで施肥すると、堆肥に生息していた微生物が有機肥料を活発に分解しますので、なおいっそうの効果があると言われています。
土壌の改良効果を同時にねらう場合には、肥あたりをしないよう、株元をさけて万遍なくすきこむとよいでしょう。土壌の改良、すなわち団粒化が進展すると保肥効果が著しく増強されます。
有機栽培の理想とされる施肥の必要がないほど肥沃な土をつくりあげることを目標とされる方にお奨めします。

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